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イントロダクション
Introduction
イントロダクション
第31回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門上映 第66回サンセバスチャン国際映画祭コンペティション部門脚本賞受賞
第31回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門上映 第66回サンセバスチャン国際映画祭コンペティション部門脚本賞受賞
すぐれた短編小説のように 心にやさしいかすり傷を残す フランス流大人のラブストーリー
すぐれた短編小説のように 心にやさしいかすり傷を残す フランス流大人のラブストーリー
『パリの恋人たち』場面写真
監督・主演は、フランスの名匠フィリップ・ガレルの息子で、俳優としてセザール賞に4度ノミネート、1度受賞したルイ・ガレル。ベルナルド・ベルトルッチ、ジェーン・バーキン、クリストフ・オノレやジャック・ドワイヨンら世界のカルチャーを担うアーティストたちに愛されてきた、名実ともにフランス映画界きってのサラブレッドだ。二人の女性からのどんな理不尽な要求も受け入れてしまうアベルを、「何度も生まれ変わる“いたいけな人”をイメージしました。降りかかる災難をすべて楽しんでしまう人」と解釈したと語り、全女性をくすっと笑わせ、心を和ませてくれる、愛されキャラの主人公に作り上げた。
マリアンヌには、実生活でもルイ・ガレルのパートナーであるレティシア・カスタ。ヴィクトリアズ・シークレットをはじめ100以上の雑誌のカヴァーを飾り、ラルフ・ローレンやイヴ・サンローランなどハイブランドのモデルとして絶大な人気を誇り、その時代を象徴する美女を選んで作られ、フランス全土の市庁舎に設置されるマリアンヌ像のモデルにもなった女優だ。
また、妖艶な大人の魅惑を放つマリアンヌに対し、天使と小悪魔の両極端の魅力でアベルを翻弄するエヴには、今や世界の若者たちのカルチャーアイコンとなったリリー=ローズ・デップ。いわずと知れたジョニー・デップとヴァネッサ・パラディの愛娘で、シャネルのモデルとしても活躍中。本作では初恋のときめきとあやうさを鮮烈に演じ切った。最新モードとトラッドを絶妙に織り交ぜた、エレガントなパリジェンヌファッションも見逃せない。
パリの街角で迷子になった、女と男の素直に表せない想いの行く先は──? 数えきれないほどの恋愛映画を観てきたあなたにこそ贈りたい、花束のように美しくも愛おしいサプライズの詰まった大人のラブストーリー。
『パリの恋人たち』場面写真
 
ストーリー
Story
ストーリー
女と男と女の絡み合った糸の結末は?
女と男と女の絡み合った糸の結末は?
ジャーナリストのアベル(ルイ・ガレル)は、3年近く同居している恋人のマリアンヌ(レティシア・カスタ)から、「妊娠したの」と告げられ喜ぶが、「あなたじゃない」のまさかの一言で別れることになる。よりによって相手はアベルの友達のポールで、彼の家族にも祝福され、二人は結婚するという。
数年後、ポールの訃報が届く。彼の告別式で再会したマリアンヌの傍らには、息子のジョゼフがいた。悲しみに沈むマリアンヌの姿を見て、アベルは彼女への想いが消えていないことに気づくのだった。そんなアベルを食い入るように見つめているのは、ポールの妹のエヴ(リリー=ローズ・デップ)だ。少女の頃からアベルに夢中なイヴも、すっかり成長していた。
2週間後、マリアンヌからの電話を受け取り、食事に出かけたアベルは、「もう一度、一緒に暮らすのはどう?」という提案を、まだ早すぎると飲み込み、外務省の広報アドバイザーをしているというマリアンヌの話に聞き入る。帰り道でマリアンヌのアパルトマンに立ち寄ると、ジョゼフがアベルに「ママがパパを殺した」と耳打ちする。毒殺したけれど、ママが医師と浮気して、もみ消したというのだ。
子供の気まぐれな嘘だと信じようとしたが、疑惑の念は消しきれず、医師を訪ねるアベル。友人のポールが、なぜ死んだかと気になってというアベルの質問に、「睡眠中の心臓マヒです」と答える医師は、かなり胡散臭い男で、何かを隠しているようにも見えた。
ある夜、マリアンヌとジョゼフと3人で映画を観た帰り、アベルはマリアンヌのアパルトマンに泊まり、そのまま同居することになる。だが、母親を取られたと思ったジョゼフは反抗的で、アベルも一度は捨てられたわだかまりが消えたわけではなく、3人の間には微妙な緊張感が漂っていた。そんな中、マリアンヌがなぜポールを選んだか、耳を疑う理由を打ち明ける。

互いの本心を探り合うアベルとマリアンヌに、いきなり嵐が降りかかる。エヴがマリアンヌには「アベルが欲しい。愛してないでしょ?」と詰め寄り、アベルにも「私にはあなた以外の男は存在しない」と告白したのだ。もし断ったら、「戦争よ」とエヴに宣言されたマリアンヌは、アベルに驚くべき“提案”をするのだが──。
『パリの恋人たち』場面写真
キャスト&スタッフ
Cast & Staff
キャスト&スタッフ
レティシア・カスタ
レティシア・カスタ
レティシア・カスタ
マリアンヌ
1978年5月11日、フランス、ポン=オードゥメール生まれ。国際的なモデルとしてキャリアをスタートさせ、世界のモード誌100以上でカヴァーを飾ると共に、一流ファッションブランドの広告キャンペーンで活躍する。イヴ・サン=ローランやジャン=ポール・ゴルチエのミューズだったことでも知られる。
1999年から女優として活動し、『ジターノ』(00)、パトリス・ルコント監督の『歓楽通り』(02)、『この胸のときめきを』(02)、TV映画「サンフェリーチェ/運命の愛」(04)、『ヴィザージュ』(09・未)などに出演する。
2010年、天才アーティスト、セルジュ・ゲンスブールの伝記映画『ゲンスブールと女たち』に女優ブリジット・バルドー役で出演して絶賛され、セザール賞助演女優賞にノミネートされる。
その後も、リチャード・ギア共演のアメリカ映画『キング・オブ・マンハッタン危険な賭け』(12)、『シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢』(19)などに出演。2016年には監督業にも進出し、短編映画『En moi』をカンヌ国際映画祭で発表する。
また、2012年には芸術文化勲章シュヴァリエを受章し、2018年にはブシュロン160周年のアンバサダーに就任。フランスの美を象徴する存在である。
リリー=ローズ・デップ
リリー=ローズ・デップ
リリー=ローズ・デップ
エヴ
1999年5月27日、フランス、パリ生まれ。母は女優で歌手のヴァネッサ・パラディ、父は俳優のジョニー・デップ。幼少の頃から華やかかつ個性的な存在感で注目される。
2014年、ケヴィン・スミス監督の『Mr.タスク』へのカメオ出演で、演技のキャリアをスタートする。続いて、伝説のダンサー、イサドラ・ダンカンに扮した『ザ・ダンサー』(16)でセザール賞有望若手女優賞にノミネートされ、『プラネタリウム』(16)ではナタリー・ポートマン、ルイ・ガレルと共演する。さらに、『Mr.タスク』のスピンオフ作品『コンビニ・ウォーズ バイトJK VS ミニナチ軍団』(16)では主演を務める。その後、Netflix配信の『キング』(19・未)でロバート・パティンソン、ティモシー・シャラメと共演。
新作に、アーミー・ハマー、ゲイリー・オールドマン共演の『Dreamland』(20・原題)、コリン・ファレル共演、ニール・バーガー監督の『Voyagers』(原題)などがある。
シャネルのアンバサダーとして、フレグランス「N°5ロー」とアイウェア「パール コレクション」の2つのキャンペーンの顔を務める。
本作で、セザール賞有望若手女優賞にノミネートされる。今や、最も話題を集めるセレブリティとなる。
ルイ・ガレル
ルイ・ガレル
ルイ・ガレル
監督・アベル
1983年6月14日、フランス、パリ生まれ。父は映画監督のフィリップ・ガレル、母は女優のブリジット・シィという映画一家に生まれる。幼少期より父親の監督作品に子役として出演し、フランス国立高等演劇学校で演技を学ぶ。
2001年、ロドルフ・マルコーニ監督、ジェーン・バーキン共演の『これが私の肉体』(未)で本格的な俳優デビューを果たす。2003年には、名匠ベルナルド・ベルトルッチ監督の『ドリーマーズ』に出演してその演技力を高く評価され、フランスの若手有望俳優として広く知られる。
クリストフ・オノレ監督作品でもその名を上げ、『ジョルジュ・バタイユ ママン』(04)、『パリの中で』(06)、『美しいひと』(08・未)、『愛のあしあと』(11)などに出演する。
また、父の監督作品でも、『恋人たちの失われた革命』(05)でセザール賞有望若手男優賞を受賞し、続けて『愛の残像』(08)、『灼熱の肌』(11)、『ジェラシー』(13)、『パリ、恋人たちの影』(15)に出演する。  その他の主な出演作は、『女優』(07・未)、グザヴィエ・ドラン監督の『胸騒ぎの恋人』(10・未)、『イタリアのある城で』(13・未)、『サンローラン』(14)、『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』(15)、リリー=ローズ・デップ共演の『プラネタリウム』(16)、『愛を綴る女』(16)、巨匠ジャン=リュック・ゴダールに扮した『グッバイ・ゴダール!』(17)など。  監督としては、2008年に短編『Mes copains』(原題)でデビュー、続いてレア・セドゥ出演の短編『女優と仕立屋』(10・未)、短編『La règle de trois』(11・原題)を発表し、『Les deux amis』(15・原題)で初の長編映画を手掛ける。
今やフランス・カルチャーを牽引する存在。実生活でもレティシア・カスタがパートナー。
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ルイ・ガレル画像
ルイ・ガレル画像
初監督作品では、ひとの感情というものをいかに描くかに心をくだきました。その結果、登場人物が熱にうなされるように心情を吐露する映画になりました。本作では、その正反対を狙いましたので、登場人物の心持ちは読みとれません。誰も本当の気持ちを見せないので、一見するとロマンティックな映画には見えないかもしれません。
主人公の2人は、別れてから8年後に再会します。彼らにわだかまりはなく、また一緒にいられることを喜び、消えかけていた思慕が蘇ります。脚本家のジャン=クロード・カリエールと私のアイデアは、とてもシンプルでした。「ひとの気持ちはあてにならない」というものです。このあてにならなさは、独白による「心の声」で表現されます。「心の声」は映画ならではの表現であり、個人的にも大変気に入っていますので、使うことにしました。ひとがある音楽ジャンルに、なぜか惹かれてしまうように、私は「心の声」という手法に惹かれてしまうのです。
テーマはとてもありふれています。この映画の面白さは、登場人物の気持ちがわからない観客が、映画のあらゆる要素を登場人物の心持ちに引き寄せて好き勝手に解釈できるところにあります。
主人公には、何度も生まれ変わる「いたいけなひと」をイメージしました。ふりかかる災難をすべて楽しんでしまう人物です。サイレント映画時代の名優たちの、例えばバスター・キートンが演じるような、頭に鉢植えが落ちてきても「どういうことだ?」といぶかるのではなく、「けがしなくてよかった」と考えてしまうようなキャラクターです。
文学には短編小説と長編小説があります。私は本作を短編小説のように組み立てたいと考えました。気楽に読めて、サプライズがあり、みずみずしい短編小説であり、重苦しい心理ドラマのアンチテーゼでもあります。要するにこれは、今の時代の喜劇のありかたなのです。
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